ごっくん。

※良守が狂っています。
 上記の方が苦手な方は此処で読むのをおやめ下さい。
 平気な方はどうぞ下へ‥‥‥。









小さくか弱い弟が烏森の地で衝撃の告白をした。

「今‥‥‥、何て?」

頭の中は警告、警音、サイレン、サイレン、サイレン‥‥‥―。

逃げろ
でも何処に?
逃げろ
もう無理なのに

あぁ、
捕まえられた

薄っすら笑う良守を生まれて初めて怖ろしいと心底思った。
あの優しく甘い弟は何処へいった?
俺の知っている良守は‥‥‥―

「だから‥‥‥烏森を喰べたの」

‥‥‥一体何処へ?

烏森の気配はこの土地からはしない。
するとすれば‥‥‥良守の中から。

「喰らったって、どうやって?」

ふふふっと笑いながら良守は正守に近づくと冷たく言い放つ。

「秘密」

正守はその間一歩も動けなかった。
声も上げられなかった。
全ての動きを停止させられた。

良守によって。





「だって兄貴が知ったら喰べようとするでしょ?



         俺を」





良守だと分かっている。
それなのに、こんなに震える。
叫んで逃げて我武者羅に走って良守から逃げたい。

なのに動かない。

「無道さん、って居たよね。あの人は自分の能力で土地神の力を搾り取っていたけど‥‥‥そんなの俺には出来ないんだよね。だから喰べるしかできないんだよ。」

笑う良守。
紅く染まる月。
力の無くなった空っぽの土地。

「兄貴も食べて欲しい?」

全てが嘘のような今晩。

あぁ、
一体俺は何を望んでいたのか?








食べて溶けて混ざって。












ー08.01.11ー