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意思相通 無道さんに初めて逢ったのはつい最近。 「ボウヤの弟君。一緒にお茶はどうかね?」 っと、拉致られて喫茶店に連れて行かれてからの知り合い。 「弟君、一緒にご飯はどうかね?」 っと、半ば強制的に高そうな店に連れて行かれてからの友達。 「弟君、一緒に寝ないか?」 っと、ホテルに連れ込まれてからのそーゆー関係。 「ねぇ。無道さん」 「ん?なんだね弟君」 まだ痛む腰を擦ってもらいながら、良守は無道の方を静かに顔を向ける。 「無道さんは、俺を抱きながら兄貴を愛してるんだよね」 良守の腰を擦っていた無道の手が止まる。 「なぜそう思う?」 良守は横になっていた体を起こし、ベットの上、横に散乱している自分の服を掻き集め始めながら話す。 「だって、俺を抱く時だけ手の方印を見えないように手を繋ぐんだもん」 「それだけ?」 「喫茶店にいる時だって、俺が何も言わなくてもクリームソーダ頼むでしょ?」 「‥‥‥そうだったか?」 「自覚ないと思って言わなかったけどね。」 あれ、兄貴の好物だもんね。 っと言うと、掻き集めた服をベットの上に置き、良守はもそもそと脱いだ服を着始めようとする。 「それで‥‥‥、弟君は何が言いたいのかな?」 無道の質問に、良守は履こうとしていた下着を片手に考える。 「んん‥‥‥―。」 「別れたいのか?」 そう言う無道を良守は苦笑いする。 「俺達もとから付き合ってないじゃん」 その笑い方はとても寂しそうで、子どもがするような笑い方ではないな、っと無道は思う。 「じゃぁ‥‥‥」 「兄貴よりじゃなくていいいいから、少しだけ俺を見て欲しいなぁ‥‥‥って。」 「‥‥‥」 突然の良守の発言に無道はビックリして固まる。 「駄目‥‥‥かな?」 固まってしまった無道に疑問をもち、首を傾げながら無道を覗き込む。 「はは、弟君は本当に可愛いな」 「‥‥‥??」 「少なくとも、だいぶ私は弟君を見てるつもりなんだが‥‥‥」 「そうか?」 この小さな子どもは鈍感で困るな‥‥‥。 無道は、はぁ‥‥‥っと溜め息をつくと下着を片手に全裸の良守を手招きしベットへと押し倒した。 「私は正守みたいなゴツイ奴を抱く趣味は持ち合わせてない」 「え!?」 一体この子どもは私の事をどう思っているのだろうか。 「っと、言う事は」 「‥‥‥言う事は?」 無道は良守の顎をクイッと持ち上げると唇が付きそうなぐらいのところで止まる。 「弟君の勘違いと嫉妬かな」 「!!!!!」 まん丸になった良守の眼を見たあと、無道は柔らかい唇へとキスを落とした。 さぁ、この鈍感で可愛らしい子どもをどう調教してやろうか。 まず始めに、告白からしてみようかな‥‥‥。 気持ちはいつも一方通行 ー08.08.31ー |