飛べない鳥の鎮魂歌

――――良守を殴ると、殴った拳に血が付いた。

「あぁ。良守のせいで血が付いちゃった‥‥‥」

冷めた声でそう言うと、良守の体はビクッと震え恐る恐る此方を見つめてくる。
目に涙をいっぱい溜めて。

「あ、ぁあ、ご、ごめ、んなさ、い‥‥っ」

必死に言葉を出そうとしているみたいだけど、さっき殴ったせいか頭がパニックになっているみたいだ。
そして、目からは我慢できなかった大粒の涙が零れ始めてきた。
口から血を流す良守の姿は綺麗で、その姿が何とも淫らで、俺を煽っているなんてコイツは知らないだろう‥‥‥。

「良守の血なんだから、自分で舐めとってよ?」

良守の口の前に自分の手を持っていき、舐めとるように指示する。
一瞬ためらった良守は俺の腕を掴むと、自分の舌で俺の拳に付いた血を舐め始めた。

「バター犬みたいだね?」

そう言うと顔を赤く染めあげる。

可愛い弟だと思っていたのに、いつからこんなドス黒い感情を抱いたのか。
初めて良守を殴った時は、興奮して良守を殺さないよう抑えるのが大変だったのに、今ではそれだけでは満足できなくなり、つい最近等々良守を無理矢理犯した。

泣いて、啼いて、鳴いて、なかして‥‥‥。
良守の中に無理矢理入って突いて、えぐって、掻き混ぜて‥‥‥。
沢山、出切る筈もない子供達の種を良守の中に埋め込んで、押し込んで‥‥‥。

そうしたら、不思議に今まで心の何処か空いていた穴が少し塞がったような気がした。
良守も最初は怯えて何度も俺を言葉で罵ったり殴ったりしたけど、最近では慣れたのかおねだりの仕方も覚えた。

あぁ。
思い出しただけで、自分の弟を汚したくなる。

「そういえば、良守は甘い物が好きなんだよな?」
「う、うん‥‥」

いきなりの質問に良守は、綺麗になった俺の拳を離し上目使いで俺を見てくる。
だから、そんな風に俺を煽るなよ。
歪んで泣き叫ぶお前がもっと見たくなるじゃないか。

なんとか自分の欲望を押さえると優しく微笑む。

「なんかの本で読んだんだ。甘い物好きの人は糖分のとりすぎで体液まで甘くなる、って。なぁ、試させてよ?」

そういうと、俺は素早く良守の細くて白い首筋に噛み付いた。
一瞬見えた良守の顔は、さっきまで赤かったのに青白かったのは気のせいではないだろう。

「あぁあぁぁああぁ!!!!!」

噛み付くと直ぐに良守の悲鳴が聞こえたが聞こえないふり。
背中を良守が引っかくから、腕は念糸で固定して。
あぁ、首を噛んでいるから鳴いている良守の顔が見えないのが残念‥‥‥。

今まで塞がっていた肉体を少し噛み切りると、生ぬるい液体が口の中いっぱい注がれ、喉を潤す。
血は甘くはなかったが、良守の血だと思うと甘く感じる。

「んん、甘い‥‥‥」

何分そうしていたのか、やっと首筋から口を離すと良守は気絶していた。

「つまんないな‥‥‥」

良守が泣いていないと意味はない
良守が鳴いている時が幸せを感じる
良守が啼いているのが俺の生きる意味

泣いて、鳴いて、啼いて。
俺だけの為だけに”ないて”‥‥‥―。
そしたら満足する。
空いた穴も癒される。

「良守‥‥‥、早く起きて俺を満足させて。お腹いっぱいにさせてよ?俺は、お前でしかお腹いっぱいにならないんだから。」

気絶する良守を胸に抱き、俺は愛しそうに呟いた。






糖尿頭領












ー08.05.06ー