自分のモノには目印を

近くの部屋には夜行の皆がいているのに。

「っうぁ‥‥‥―!!!」
「良守、あんまり鳴くと‥‥‥聞こえるよ?」

ビックッと震える俺は今、正守に無理矢理抱かれている状況。
近くの部屋には夜行の皆が賑やかにお茶を飲んでいるのに、正守は俺の手を念糸で縛り上げ、手の自由がきかなく なった所でズボンと一緒に下着までずらし、慣れてもいない俺の蕾へと自分の物を入れ込んだ。

当然、慣らしてもいない所に入れるわけだから血が出る。
床には薄い結界がひいており畳には血は落ちないが、結果上には俺から出た血が滴り落ち水溜りの様になっている 。

「ひぅっ!!あ、にき‥‥‥やだっ!!いたい、や、やめ‥‥‥」

泣きながら正守に抗議するが、正守は無視して行為を続ける。
近くの部屋は夜行の皆がうるさく話している。

声を押さえるのが苦しくなってきたって言うのに、音漏れの結界も張らずに鳴いている俺の声はいつ聞こえてしまう のかの不安と、聞こえてしまって、こんな正守から助けて欲しいのとの感情で頭が上手く廻らない。

「ひぅっ!!ふ、ふっ‥‥‥んん―!!」

考えようとしても、正守が下から激しく突いてくるので考えもまとまらない。
ただ、唇を噛んで声を堪えるのに必死になっている。

「良守?お前は一体だぁれのだ?」

声を抑えるのに必死な俺の唇に舌を這いずり回し、硬く閉ざした唇に進入しようとしている正守の舌をキツク噛み千 切る。
正守は舌を俺から外すと、少し切れて血が出てしまった舌を口の中にしまう。
俺は精一杯睨んで声を出す。

「‥お‥‥、俺は‥‥っ、俺‥‥の、だ」

さっきの返事を振り絞って言うと正守は怪しげに笑って俺達の周りに結界を張っり、その暗く重たい鋭い目を俺に向ける。

正守は口角をクッと上げ怪しげに笑うと、いつの間にか持っていたカッターナイフをチチッと上げ、俺の背中へと刃先を当てた。

「良守が誰のか名前書いとかないと、ね?」

次の瞬間、正守と繋がっていることさえ忘れてしまいそうな、俺の意識が飛びそうなぐらいの痛みが走った。

「うぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!!」
「あはははっ」
正守はゆっくりと俺の背中にカッターナイフを押し当て、ゆっくりと俺の背中を切ってゆく。

「がっぁ、あ…、ぁっ…―!!!!」

涙が脱水症状になるんではないのかというぐらい大量に出る。
助けてくれないのに、止めてもくれないのに正守の名前を叫けんでいる。

「良守、俺の名前ここに彫ったから。これで俺だけのものだ」
「ひっ…ん、ふ、ふぁ…、あ、あぁぁ」

俺の背中には一生消せない傷ができただろう。
背中が焼けるように熱く感じる。

「良守…、愛しているよ」

そう言うと、正守は傷ついた背中にキスを落とし、俺の中に思いっ切り奥に入ってきた。
こっちは、さっきのでも限界なのにさらにその奥となれば壊れてしまう。

瞳は限界まで開いて、額からは嫌な汗が出ている。
声なんか、もう言葉になんかなってが助けを求め俺は叫んでいる。

「ひぁぁぁあぁぁあぁ!!!!!助‥け‥、いぃぃあぁ!!!」

助けを求めても、さっき正守が結界を張ってしまったので、もうこの部屋で起こっている事が聞こえるものは居ない。

俺の叫び声に気を良くしたのか、正守は優しく微笑む。

「馬鹿だな。お前の声なんか誰にも聞かせるもんか」

耳元で囁かれた声は俺を暗い奈落へと突き落とすには充分のものだ。

「一生お前は俺に縋ってたらいいんだ。良守」

うっとりするような声で囁く正守は幸せそうに気を失いかけの俺に囁き、一段と強く抱き締めた。






俺を越したお前に興味はないよ?












ー08.05.06ー