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私の年齢19歳。 彼の年齢32歳。 その差13歳。 そんな彼に私は恋をして失恋した。 ≪好きな人と腹の探り合い。≫ 会社の上司だと言うのに彼は私にまるで友達の様に話してくれる。 それが嬉しくて楽しくて‥‥‥寂しくて。 新入社員と言う事で彼のことも知らないし、会社の人達の『暗黙の了解』と言うものもを知らないでいた私は、そう、ただ興味本意でその話を彼に切り出した。 「貴方は結婚をしないのですか?」 「君は結婚をしたいのか?」 ええしたいです、っと答えると彼は、そうっと簡潔に答える。 「結婚したら自由は無くなる。家族を養わなければならない。社会的地位も変わる。相手の親の顔色も見なければならない。結婚式も面倒くさい。」 そうですか、っと言うと彼は、そうだと答える。 「籍だけ入れるのだったら、何処の誰とでも出来る。同じ年齢ならば俺はまだ良い方だ。」 少し引く私に彼は苦笑いで話し続ける。 「君は直ぐに結婚したいのか?だったら、俺と明日籍でもいれるか?」 一瞬だけ私の体温が上がった気がした。 貴方ならば結婚したいのですが、っと心の中では話すがそんな事は口が割けても言えない。 それに、そんなの私の望んだ結果ではないので首を横に振る。 「私は恋愛をしたいのです」 そう言う私に彼は呆れたように溜め息をつく。 「そんなのは誰とだって出来るが時間が掛かる。1人に3年かけたとしよう。2人付き合えば6年、3人付き合えば9年、4人付き合えば‥‥‥そうやって俺は結婚しなかったんだ。」 出合った人が悪かったんですね、っと答えると哀しそうな顔をして、そうだっと笑う。 「でも、そんなの1人見つければ3年ですむことです。」 「1人では、その人が本当にいいのか分からないだろ?」 その”いい”はどんな”いい”という意味なのかは聞かなかった私は正解だろう。 「前の彼はいい人でした。2年半付き合って、恋をして、色んな事を話して‥‥‥でも最終的には違う女に取られてしまいました。」 そうか‥‥‥っと彼はまだ温かい珈琲を飲む。 「相手は私よりも年上で、大学生でした。違う女に走った彼は私の目の前に携帯電話の着信履歴を突きつけて『好きな人が出来たから別れて欲しい』っと言ったんです。そんな彼を私は好きになれずに別れました。」 目の前の紅茶を見つめながら私は彼に話したら、彼はふぅん、っと答える。 「彼は初めての人なのか?」 初めて‥‥‥。 @初めて出来た彼氏。 A処女を捧げた彼氏。 答えは分かっている‥‥‥Aだ。 何も知らない処女の女、鈍感な女の様に惚けてみる。 「初めてとはどういう意味ですか?」 「初めてなのか?」 しつこく聞く彼にもう一度、どう言う意味ですか?っと聞くと彼はまた、初めてなのか?っと聞く。 少しの沈黙と私の溜め息が答えを告げる。 「初めて‥‥‥っと言うか、何もしていないのですよ」 「2年半も付き合っていて?」 彼の驚いた顔に、えぇ、っと答える。 だって付き合っていたのは女の人。 するもなにも、入る事は出来ても入れるものがない。 別れ話は半分嘘。 別れ話を出したのは向こうで、別れを承諾したのは私。 そこは正解。 私は同性愛者。 半分は。 バイセクシャルな私。 半分は。 思い出話に懐かしんでいると彼は話しだす。 「キスはした事は?手を繋いだ事は?」 彼はまるで貪欲な子供の様に聞く。 「キスぐらいはあります。手を繋いだ事は貴方はないんですか?」 さあなぁ‥‥っと彼は呟くと、私達は目を伏せた。 彼の視線が私の唇から目へと真っ直ぐに移ることが見なくても分かった。 私の視線が彼の唇から目へと真っ直ぐに移ることが見なくても分かっただろう。 ほんの少し自惚れてもいいだろうか。 彼が私に好意を持っていることを。 ほんの少しだけ。 少しだけ。 それは恋愛と言うキラキラした物なんかではなく 欲情と言う淫らでドロドロした感情。 彼が私に恋愛感情を向ける事はない。 絶対とはいえないが0%に近い。 私ではない違う人に恋愛感情は向けられているだろう。 私は彼が好きで でも彼は違う人が好きで それでもその人は違う人が好きで‥‥‥。 一直線の関係。 トライアングルな感情。 私はそんな哀しい物語の一部にはなりたくないので、その舞台から退席した。 彼を諦めた。 「いいお話でした。」 12時のお昼のチャイムが鳴り席を立つと、また話そう、っと彼が笑う。 彼と私の関係なんてそんなもの。 触れも離れもしない そんな関係。 誰かが言った 『社内恋愛は相手に捨てられる事もないけれど、相手を捨てる事が出来ない。ハイリスク・ハイリターン。』 なのだと。 ー07.11.10ー |