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彼の首筋に欲情した。 その首筋にキスを落として私だと言う印を付けたい。 そこに浮かぶ紅い華はどんなに魅力的だろうか‥‥‥。 そんな事を思いながら彼を見つめた。 彼は気づいているだろうか? 私が彼に欲情した事に。 彼は、どちらかと言うと"軽い男"だった。 誰でも誘い、誰でも口説き、誰とでも寝るタイプだった。 っと私は思う。 そして酷く優しい男。 だとも思う。 いや、これは事実。 私が泣いて告白すれば彼は確実に頷くだろう。 そうして無理にでも愛そうとするだろう。 そんな事は誰も願ってはいないのに。 彼には好きな人がいる。 いると思う。 いや、いるのだ。 彼から直接聞いたのだから。 でも、片思いなのだと彼は寂しそうにウットリと呟いた。 それは一生心に締まってしまうであろう、と私は聴こえないぐらい小さな声で呟いた。 確信は無い。 ただ 彼が見つめる遠くの視線が 私が見つめる彼への視線と似ていたから‥‥‥。 確信は無いのだけれども。 やけに似た視線に心が痛んだ。 彼と、彼越しの彼女が付き合うのならば心から幸せを願おう。 私なんかでは似合わないと知っているから。 旅行に私は多分行くっと返事をした。 彼は参加予定だ。 彼は私に言った。 「どうするの?」 私は言った。 「ほぼ参加予定です。」 彼は笑いながら言った。 「来て」 私は泣きそうになりながら言った。 「そうですね‥‥‥」 っと。 彼は言葉を続ける。 「君がくるなら俺も行こう」 私は下を向きながら消えそうな声で言った。 「そう、ですね‥‥‥」 彼は私をどうしたいのか? 壊したいのか? ただ面白がっているのか? 彼に私の気持ちは知られているだろう。 分かりやすすぎる私の態度は彼の体温を何度か上げただろうか? 私が彼に上げられた体温なんて数え切れないほどあるのに‥‥‥。 彼を想うだけで苦しくなる体をどうしよう。 っと思えば想うほど泣きたくなる。 彼の瞳が私に注がれるだけで泣いてしまわないように精一杯隠し続ける。 あぁ、 コレが恋でなければどんなによかったか っと願った所でコレは誰が何と言おうとも 恋に違いないと自分で想うから。 ー08.02.24ー |