禁断の林檎の蜜

禁断だからこそ美味しい果実

背徳だからこその快感

甘い言葉の誘惑の蜜

2人の出会いと言葉と態度こそ嘘




夢中になってしたキスを終わらせて、互いが互いを見つめる。

「クロ‥‥‥ッ」
「ッ‥‥‥ヤン」

お互いの名前を呼び合い、2人は自然とベットへと足を運ぶ。

ベットに横たわると、俺は優しくクロの着ていた服を脱がし肌を露にする。
クロはそれをボーッと眺めているだけだった。

「にひひ‥‥‥ヤンやらしいぃ」

クロは相当酔っているらしく、俺のすることに抵抗はしなかった。
そして俺も相当酔っているらしく、余裕などなくクロを抱き締めた。

始めてて逢ったのに、逢って2時間弱で抱いている。

なんて軽い男女だろう。

記憶は所々飛んでおり、起きてはキスをしてSEXをするの繰り返しだで朝を迎えた。
最初に起きたのはクロの方だった。
抱き締めていたクロがモゾモゾと動き出し、トイレに行った時に俺は起きた。
目覚めると横に居るはずのクロは居なく、だがクロのいた温かさだけはベットに残っていた。

「あ、起こしちゃった?ごめん」

ボーっとクロを眺めてながら黙って手招きをしてベットへと呼び寄せる。
クロは俺の横へ寝ると、ダランッと伸ばしていた俺の腕で遊び始めたので俺もクロの好きなようにさせる。

「ヤンの手って大きいねぇ」
「そう?」
「うんw手の大きい人に頭撫でてもらうのって大好きだから‥‥‥ヤンの手は大好き」

クロは思った事をスラッと言う女だ。
しかし、人の傷つく事は言わない優しい女でもある。
深く干渉もしてこないし、干渉させない。
自分の立場、優先順位、環境をよく分かっている。
近づく事をしないが、遠くなる事もない‥‥‥。
遊び相手にしては丁度よく、クロもそれを踏まえて相手をしてくれている。

遊び相手なら十分にいる俺でさえ何か惹かれるものをもった女だ。

他愛も無い話をスラスラと話しながら、キスをして抱き締めて抱いてSEXをして‥‥‥―。
そんなこんなで俺たちはホテルを後にした。



ホテルを出ると、まずは朝ごはんを食べた。
喫茶店に入ると、俺は珈琲とサンドイッチを頼み、クロはチョコレート仕立てのジュースを飲んだ。

そういえば、クロは逢って直ぐのお好み焼き以外は何も食べていない。
後は、お酒と水と今飲んでいるジュースぐらい‥‥‥。
体系から言って拒食症ではないと思うが‥‥‥。

「ねぇ‥‥‥クロって拒食症じゃないよね?」
「あははは!!!!ウチの何処をどう見たら拒食症に見えるのよ?」

クロは笑いながら飲んでいたジュースを置く。

「だって‥‥‥昨日の夜から何にも食べてないし。今お昼なのにお腹空かない?」

うーん‥‥‥、っと唸りながらクロは答える。

「なんて言うか‥‥‥まだ緊張してるのかもね。知らない人とご飯を食べるって事事態あんまりないからさぁ」

そう言うとクロは少し遠い目をしながらジュースを飲むのを再開した。
それからクロが黙ったので俺はそれ以上聞けなかった。

喫茶店を後にすると暫くはブラブラと2人で歩きながら駅を目指した。
他愛も無い話をしながら20分弱歩くと駅に付いてしまい、俺は帰りのバスを延長してクロともう後少しだけ逢うことにした。

「ココの駅デカくてさぁ‥‥‥上に小さな教会みたいなんもあるんだぁ」

クロは上を見上げながら階段を上っていく。
へぇー‥‥‥、っと話しながら俺はクロの後を追いながら階段を上る。

「ああ‥‥‥ちょうどこの上のとこ」

階段を上るのに疲れたクロは丁度いいところにあった石椅子に腰掛ける。
その横に俺が座る。

「気持ちいいねぇ」

俺たちが要る所は人気も少なく、風通しもよい場所だった。
涼しい、っと溢しながらクロは額に付いた汗を拭う。
ヒョォォォっと吹いた風が俺たちを包み、体から熱をさらっていってくれる。

「ヤンと逢えるのは次はいつだろうねぇ」

そう言われて心が痛んだ。
好きになってはいけない相手に心が痛んだ。

「と‥‥‥、当分は無理なんじゃない?色々忙しいしねぇ」
「そっか‥‥‥寂しいわぁ」
「‥‥‥ッ」

不意に見せたクロの寂しそうな顔を見た瞬間
俺はココが外であることを忘れクロにキスをした。



リンゴ―ン‥‥‥ゴーン‥‥‥ゴーン



キスをした瞬間
祝福されない男女に教会の鐘が鳴る。

「ぷッ‥‥‥あははww洒落になんないねぇ」
「はは‥‥‥そうだね」

クロは鳴った鐘の方を見ながら哀しそうに笑う。
俺はそんなクロにもう一度キスをし、情けなく泣きそうになった俺の顔を見せないようにした。

結ばれることのない偽り男女。
本気になった瞬間崩壊が始まる恋物語。

でも‥‥‥、でも‥‥。

「俺‥‥クロの事好きだ」


ゴーン‥‥‥ゴーン‥‥

鳴っているのは祝福の鐘か崩壊の鐘か‥‥‥。

「うん‥‥‥ありがとう」

哀しそうなクロに俺は強く抱き締めた。



愛しているのに愛せない。



気づいた事はただ1つ‥‥‥

本気でクロを愛してしまった事。





本気になったペテン師








ー08.10.13ー