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※ツナが狂っています。 上記の方が苦手な方は此処で読むのをおやめ下さい。 平気な方はどうぞ下へ‥‥‥。 1人の男は言った。 「あいつは”天使の顔をした悪魔”だ」 っと。 それはコワイもの 1人の男が暗闇の中に居た。 その男は大物マフィアの幹部の1人だった。 それは昨日までの話で、今はそのマフィア自体もう無い。 1人の男によって消されてしまったのだ。 息を切らしながら男は走る。 足の感覚はもう既に無い。 心臓の音が耳の直ぐ傍でドクドクと鳴り響く。 頭の中は真っ白。 思い浮かぶのは仲間の死に顔に赤、朱、紅‥‥‥。 「ヒッ!!」 男が走り抜けた暗闇の先には一人の少年。 顔は日本人の割には白く。 身長は平均男性よりも遥かに小さく。 大きな瞳に、紅く染まった頬、ふっくらした唇。 そして‥‥‥― 人一倍の殺気。 男はその少年を視界に入れると動けなくなった。 まるで大蛇に睨まれた鼠のように。 「貴方で最後です。」 少年は、ふわっと笑うと男に近づく。 「貴方で終わりです。」 うっとりするよに笑うのは女神のような死神。 ボンゴレファミリー十代目ボス・沢田綱吉 「貴方達は俺のファミリーを沢山殺しました。だから、コレは復讐です。」 さっきまで熱かった体は温度を失くし寒さだけが残る。 なのに 脳だけは沸騰しそうなぐらい熱い‥‥‥。 「最後に言う事はありますか?」 そう呟く少年の殺気が少しだけ和らいだ。 それでも下手な事したら一瞬で殺される、っと思い男は震える体を精一杯落ち着かせた。 「お、お願いだ‥‥‥ッ!俺を殺すので最後にしてくれ!!俺の家族、ファミリーの家族達はどうか‥‥‥助けてやってく 「何言ってるんですか?そんなのもう全員死んでますよ?」 死神は哂う。 「言ったでしょ? 貴方で最後、だって。」 先ほどと変らず笑う少年を心の底から恐ろしいっと思った。 「お前は狂ってるッッ!!!お前の仲間も、家庭教師も、お前に関わった存在全てが狂ってる!!」 男は叫んだ。 そして、男は此処で死ぬ事を覚悟した。 それでもまだ笑う少年を殴った少し前に‥‥‥。 「知ってますよ?皆が、俺に関わった皆が狂ってる事ぐらい」 「なら何故!?」 「俺も狂ってるから普通なんですよ‥‥‥むしろ俺から見れば貴方が狂っている」 少年は殴られた処を少し撫でると手にしていた拳銃を男の額に向けた。 「それではサヨナラ‥‥‥生まれ変われたら俺を殺しに来て下さい」 男が最後に見た少年は、やはり笑っていた。 バァアァンッッ!! 乾いた音を鳴らして、少し遅れて男が倒れる。 「狂っているのはじゃなくて、世界。」 ツナは哀しそうに倒れて肉の塊になってしまった男の頭を撫でると呟やいた。 犠牲は大きく 得たものは膨大すぎた。 もう前にしか進めなく、後ろを振り返る事すら許されない世界。 狂っているのは世界? それとも‥‥‥。 1人の男は言った 「何もかもを捨ててまでお前と一緒に居たい」 っと 1人の男は言った 「貴方が望むならこの命は捧げます」 っと 1人の男が言った 「君がこの快楽を教えてくれたんだからね」 っと 1人の男が言った 「貴方が僕を救ったんです」 っと 1人の男が言った 「貴方の代わりに泣いてあげます」 っと 1人の男が言った 「お前が前だけを見るなら俺も前しか見ない」 っと 1人の男が言った 「お前がボスなんだ」 っと 君達が笑えるんだった俺は世界を殺そう。 誰が何と言おうとも。 ー08.01.11ー |